冨田勲 『青い地球は誰のもの』

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古いビデオテープをパソコンに取り込む作業をしていて、1990年7月28日にTBSで放送された「大地に花が歌う〜ドキュメント・冨田勲の旅〜」のビデオを見た。
冨田勲さんはNAGたまが音楽の師と仰ぐ人です。
番組は作曲家の冨田勲さんが北海道の美しい自然を訪ね、その自然と様々な立場でかかわっている人たちの話を聞きながら、花の美しさを音に変えその音をもとにして北の大地の一日の花の音楽を創るために旅をするドキュメンタリー番組です。製作したのは北海道放送でした。

北海道の美しい草原の花々や森の映像に冨田勲さんのシンセサイザー音楽が流れるとても印象に残る番組で、番組の冒頭部分とエンディングに、坂田寛夫 作詞/冨田勲 作曲の「青い地球は誰のもの」という合唱曲が使われています。
番組の中で冨田勲さんは次のように話していました、

『今から約20年前、昭和44年ですから正確には21年前ですが、「青い地球は誰のもの」という中の言葉は「青い地球は誰のもの」だけを繰り返しているんですけれども、これは宇宙飛行士が「地球は青かった」と言う名言をいいましたよね。それをヒントにして、この曲を当時は、地球を核の破壊からなんとか守りたいという願いを込めて作ったんです。あれから20年経って、いちおう核戦争の危機というのはちょっと遠ざかったという感じがするんですけれどもね、そのかわり、環境破壊ですか、環境問題が非常に大きく最近取り上げられていて、この曲が、その「青い地球」というのが別な意味を持ってきたんですね。』
『「青い地球は誰のもの」という曲なんですけども、これはその時に歌ってくれた子達が21年前ですからもう30過ぎの社会人になっているわけですけれども、今日歌ってくれる子達、この子達の将来つまり20年後にですね、やっぱり素晴らしい地球であってほしいなと思いますね。』

「大地に花が歌う〜ドキュメント・冨田勲の旅〜」放送から18年が過ぎた今、地球をとりまく環境問題は改善されるどころか、いっそう深刻度を増している状況です。
さらに20年後、この地球はどのようになっているのでしょうか。未来の子供たちのために、今の時代の私たちに何ができるのか、改めて考えさせられる番組でした。
そして、20年後にも、やはり素晴らしい地球であってほしいと願います。
最近のテレビではバラエティ番組ばかりが作られていますが、このようなメッセージ性のあるドキュメンタリー番組を丁寧に作りこんでいた当時の北海道放送に拍手を送りたいと思います。



[by NAGたま]


Musik von welt | コメント(0) | トラックバック(0)2008/07/06(日)20:58

Perfume 『 GAME 』

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Perfume 2nd Album 『 GAME 』
(徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-73325)


最近お気に入りで良く聴いているのはPerfumeです。
Perfumeは「近未来型テクノポップユニット」などといわれていますが、NAGたまが始めて聴いた時の印象は「懐かしい〜!」でした。それは、中学生の頃に聞いていた『Yellow Magic Orchestra(略してYMO)』のサウンドを思い浮かべるものだったからです。当時シンセサイザなどの電子楽器やコンピュータを多用したサウンドは珍しく、YMOの活動はテクノミュージックという新たな音楽ジャンルの確立に大きな影響を及ぼしたのでした。おそらくNAGたまと同じ世代で1980年代のテクノブームを知っている人はPerfumeのサウンドを懐かしく感じるのではないかと思います。逆に若い世代には新しいのでしょうかね。
そんなちょっとレトロな感じのするPerfumeの楽曲を手懸けるのは中田ヤスタカ氏です。自身も参加するユニットcapsuleの他、音楽プロデューサーとして数々のアーティストに楽曲提供をおこなっています。シーケンスによるメロディとヴォコーダーやエフェクトを効かせたヴォーカルサウンドが特徴的で、capsuleではクラブサウンド的要素が強いようですが、Perfumeではさらにキャッチーなメロディラインを使うとによりアイドル的要素を持たせているように感じます。Perfumeの3人それぞれの声の特徴を生かしたヴォーカル処理とコンピュータによる無機質なサウンドを融合することにより独特の効果を出しています。
このアルバムの中でのNAGたまのお気に入りは10曲目の「Butterfly」です。これはYMOのデビューアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』のサウンドそのものといった感じで、もしかして『 GAME 』 というアルバムタイトルもここら辺からきているのでは?と思ってしまいます。
最近テレビ出演が多くなっており、広島弁による軽妙(?)なトークでも楽しませてくれています。


[by NAGたま]


Musik von welt | コメント(0) | トラックバック(0)2008/04/29(火)15:05

ストラヴィンスキー 「春の祭典」

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ストラヴィンスキー バレエ音楽「春の祭典」
IGOR STRAVINSKY
THE RITE OF SPRING (Le Sacre du Printemps)
シャルル・デュトワ指揮
モントリオール交響楽団
(ポリドール LONDON F35L-50041)


イーゴル・ストラヴィンスキー(1882-1971)はロシアの作曲家で20世紀の始め頃フランスのパリで活躍していました。1913年にパリのシャンゼリゼ劇場で行われた『春の祭典』の初演は大変な騒動を巻き起こしました。
ストラヴィンスキー自身の言葉によれば「前奏曲の第1章節目でただちに嘲るような笑いが起った。私はむかむかして気分が悪くなった。この野次は最初孤立していたがすぐに広まり、支持者たちとの野次の応酬を引き起こしてまたたくまに恐ろしい騒ぎとなった。」
それは、『春の祭典』の原始的で強烈なリズムと不協和音の連続が、多くの聴衆に強い衝撃を与えたことを物語っており、音楽史に残る記念的な日でもありました。

全音階的和声はワーグナーが「トリスタンとイゾルデ」で示した連続した転調による半音階的和声によりすでに限界に達していましたが、ストラヴィンスキーは『春の祭典』で多調性の可能性を示しました。『春の祭典』第1部の「春のきざしとおとめたちの踊り」では、変ホ長調と変ヘ長調の混合になっており同時に鳴らされる異なる2つの調性が作り出す不協和音は民族的リズムをより強調するものとなっています。
ストラヴィンスキーと交友のあったドビュッシーは『春の祭典』を「美しい悪夢」とたとえ、それが音楽に及ぼすある種の破壊的な影響をおそれていたようです。とはいえ『春の祭典』が示した多調性、新しいリズム、構造のブロック化などはその後の音楽に大きな影響を与えるものとなったのでした。今日では現代音楽の古典として、コンサートでもよく取り上げられ、たくさんの録音がCDで発売されています。

録音では、初演者であるピエール・モントゥー指揮/パリ音楽院管弦楽団、現代音楽の作曲家ピエール・ブーレーズ指揮/クリーヴランド管弦楽団などが名演として有名です。
NAGたまのお気に入りの演奏はシャルル・デュトワ指揮/モントリオール交響楽団の演奏です。デュトワはフランス音楽とロシア音楽を得意としており、この『春の祭典』でもデュトワの卓越した管弦楽曲の解釈が現れています。オーケストラも指揮者の要求によく答えており見事なアンサンブルでダイナミックかつ色彩感豊かな演奏を聴かせてくれます。
『春の祭典』の中でNAGたまのお気に入りは「大地の踊り」の部分です。ここは第1部のクライマックスでPrestissimoの速さで5管編成のオーケストラが強烈なリズムで鳴り響く疾走感がたまりません。テレビCMでも使用されたことがあるので聴けば分かる方も多いと思います。ディトワとモントリオール響の演奏はテンポの速い部分でもアンサンブルが乱れることなく明瞭な響きで曲の輪郭がはっきり出ています。曲の最後のフルートの上行型に続くフォルティシシモの部分はバッチリ決まっていて「どうだ!」といった感じです。


[by NAGたま]


Musik von welt | コメント(0) | トラックバック(0)2008/02/14(木)23:05

ベートーベン ピアノ・ソナタ 第32番

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ベートーベン ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111
LUDWIG VAN BEETHOVEN Sonate No.32 c-moll op.111
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
DG F32G50526 より


全部で32曲であるベートーベンのピアノソナタは、第1番から順に聴いていくと、彼の作曲技法の変遷を辿ることができ興味深いものがあります。晩年の1822年に書かれたこの第32番は2楽章形式で中規模となっていますが、一連のソナタ作品の集大成ともいえる高度な技巧により作曲されています。2つの楽章はハ短調とハ長調となっていて、暗と明の対照を成している点も特徴的です。
第1楽章はソナタ形式で後期作品の特徴ともいえるフーガの技法が取り入れられています。主題はいっそう単純化され展開部も簡素化(?)されていますが、簡潔な動機を展開させる手法と運動性において高度な完成度を示し、内面的な力強さと深刻な精神性を極めて美く表現しています。
第2楽章は変奏曲形式で、ベートーベンが得意とする変奏技法の極致を示すのもで独特の深みをみごとに表現しています。第1変奏から第3変奏までは旋律は刻々と細かくなり音楽の運動性が増していくベートーベンお得意の技法が展開されます。第4変奏は左手の32分音符三連符のさざなみのような律動の上に和声を主体とした単純化された主題が歌われます。主題の内面性がいっそう強調されている、NAGたまがこの曲でもっとも好きな部分です。終盤にトリルが特徴的な部分がありますが、バレンボイムの演奏は粒の揃ったすばらしい音を聴かせてくれ、なおかつ情緒性に走ることなく考え抜かれた洗練された演奏で、後期のベートベンの深い精神性をよく表現しています。

[by NAGたま]


Musik von welt | コメント(0) | トラックバック(0)2008/01/16(水)22:24

シュトックハウゼン 「テレムジーク」 (1966)

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シュトックハウゼン / 電子音楽「テレムジーク」(1966)
KARLHEINZ STOCKHAUSEN / TELEMUSIK
シュトックハウゼン全集第9集(GER EXP139)より



カールハインツ・シュトックハウゼンは1928年生まれのドイツを代表する現代音楽の作曲家です。オリヴィエ・メシアンに師事し、第二次世界大戦後の前衛音楽の中で、ピエール・ブーレーズ、ルイジ・ノーノらと共に現代前衛音楽の三羽烏と言われていました。電子音楽では「テレムジーク」「ヒュムネン」などの傑作を作曲し、日本の黛敏郎をはじめ多くの音楽家に影響を与え、電子音楽の発展に大きく貢献しました。

「テレムジーク」は1966年1月23日から3月2日にかけて東京のNHK電子音楽スタジオにて製作され、オリジナル・テープは1966年3月22日に東京のNHKスタジオにて世界初演されました。
曲名はギリシャ語で「遠い」を意味する「Tele」とドイツ語で音楽を意味する「Musik」を合わせたものです。ドイツからはるばる遠い日本まで来て製作したということもあるのでしょうが、曲の素材として世界中の民族音楽をコラージュしていることに由来するものと思われます。
「テレムジーク」は32のStructure で構成されています。それぞれのStructure は13秒から2分23秒の持続時間を持ち、アフリカ、アマゾン、バリ、ベトナム、ハンガリー、スペイン、日本など世界中の様々な民族音楽をコラージュして電子的に加工され6トラックのテープレコーダー使って製作されています。すべてのStructure は別々に製作されたあとテープをつないで最終的に1曲にまとめられています。各Structure の接続部分には日本の伝統的な打楽器の音が使用されていて、作曲者の日本への敬意の表れが感じられます。

NAGたまが初めて聞いたのは中学生のころNHK-FMで放送されたものでした。NHK電子音楽スタジオの特集番組で黛敏郎や湯浅譲二などの作品も放送され、とても衝撃を受けました。電子音楽を聴くのは初めてでしたからね。
オリジナルは5chのマルチチャンネルで、会場を包み込むように配置されたスピーカーから空間を自由自在に飛び交う音響効果はいかなるものか想像するだけでもわくわくしますが、CDでは2chステレオでしか聞くことが出来ないのが残念です。
この曲のNAGたまのお気に入りは、曲の終盤に近い「Structure31」の部分です。「Structure31」は2分23秒でこの曲中ではもっとも長い部分です。高周波で電子的に変調された日本の寺院の鐘の音が、果てしなく広がる静かな地平と彼方に煌く星たちを連想させ、ブラックホールを抜けて別世界に到達したような感覚を感じます。今日では電子音楽の古典的作品となってしまいましたが、久しぶりに聴いてもその前衛性はまったく色あせておらず、むしろ新鮮に感じます。


[by NAGたま]




Musik von welt | コメント(0) | トラックバック(0)2008/01/06(日)20:41

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Author:NAGたま
ALSを発病してしまい車いす生活を送っています。

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